- COLUMN
INTERVIEW - Vol.2
INTERVIEW
カバランのバリエーションから
最高の一本を探し出すのは、
この上ない楽しみです。

カバラン公認アンバサダー
櫻井 悠奈さん

ー 櫻井さんご自身がはじめてカバランを飲まれたときは、どのように思いましたか? はじめて飲んだのは、一昨年の東京バーショーです。スコッチはよく飲んでいるので、スコッチと比較して、ごく最近蒸留所ができてばかりのウイスキーで、熟成年数は若いのにこんなに熟成感のあるウイスキーができること、しかもそのときですでに10種類以上のボトルが出ていたのですから、そんなに短期間でこんなに作れるの、とホントに衝撃でした。
ー ブランドアンバサダーになられて、昨年と今年、蒸留所にも行かれて、カバランのいろいろなことを知ったと思いますが、印象深かったのはどのようなことですか。 ご縁があってアンバサダーに任命いただいて、蒸留所を見させていただきましたが、驚きの連続でした。まずはその気候です。暖かくて夏が長い。11月でもジャケットは要りませんでした。ウイスキーに適していると言われるスコットランドや北海道の余市は寒いところです。バーボンの蒸留所があるアメリカの東南部も比較的暖かいと思いますが、カバランではバーボンのような力強く荒々しいウイスキーではなく、繊細な味わいのものができる。すごく研究しているなと思いました。それから、自然の豊かさです。首都の台北とは全然違う環境で、空気もきれい、雪山山脈の軟水に近い水が手に入る。これは絶対おいしいウイスキーが作れる環境だなと思いました。
ー 蒸留所内部はいかがでしょう。 蒸留所は、大規模でとても設備が整っています。蒸留工程では、20機のポットスチルがシングルモルトの原酒を造り出していますが、この原酒づくりにすごくこだわっている。ウイスキーの蒸留ではたいてい、蒸留工程の開始時と終わりごろのアルコールは使わず、工程の真ん中あたりだけを使うのですが、カバランはごく一部の真ん中部分だけしかとらない。スコッチが25%くらいなのに対して、カバランでは10%くらいしか使わないというくらい、原酒にこだわっているんです。樽もいい樽だけを厳選して買い付けして、樽の加工も外部業者に任せるところが多いのですが、カバランは蒸留所内ですべてやっています。貯蔵庫もすごく広くて、増産に耐え得る大きさです。

ー 樽の違いで、味わいは全然違うものですよね。 全く違うものになります。カバランの原酒はいま、基本的に一種類だけです。味わいの違いはすべて樽と熟成期間で決まります。樽ってこんなにすごいんだ、ということを改めて感じます。原酒が赤ちゃんだとしたら、同時に生まれた赤ちゃんが別々の学校に通って個性豊かに育つようなものでしょうか。特にソリストシリーズは全てシングルカスクで、全部のボトルにバッチナンバーがついています。単一の樽からボトリングしているので、ナンバーによって微妙な味わいが違ってきます。これはおいしい、最高、という出会いがある。そのなかか自分の最高の一本を探し出す、そんなこのうえない楽しみがあります。ソリストシリーズだけでなく、実はカバラン クラシックなどカバランシリーズも、少しずつ、さらに美味しく変化しているんですよ。
ー そうなんですか。スコッチの蒸留所だったら「全く変えない」ことを信条にしていますよね。 カバランはまだ開設から13年ですから、熟成感や飲みやすさなど、まだまだ向上の途上にあります。樽も育っているし、熟成年数も上がってきています。いま飲むカバラン クラシックは、昔飲んだのと違うのかもしれない。いま飲んだカバランを忘れないようにしてください。次はもっとさらに美味しいカバランに出会えることを大いに期待していただきたいと思っています。
ー お店にいらっしゃるお客さまにも、個性豊かなカバランの世界をぜひ体験していただきたいですね。 そうですね。いま、うちにはウイスキーを知りたい、という20代のお客さまがとても多くいらっしゃるようになりました。ウイスキーファンは確実に広がっていますよ。私は、お客さまそれぞれの「好き」「美味しい」を探すのが仕事だと思っています。はじめから一種類にこだわるのではなくて、最初のうちはいろいろ試して、本当に自分にあったお酒をみつけていただきたいんです。個性が豊かで、自分のお気に入りを見つけるのがとても楽しいのがウイスキー。カバランは、それをひとつのブランドのなかだけで実現できてしまう魅力あふれるブランドなので、そういう観点でもぜひご紹介したいです。
お客さまの「好き」のために。バーテンダーになりたてのころは寝る暇も惜しんで酒類関連の書籍を読み、同店にある800種類のボトルは全て試飲したという櫻井さん。奥深い世界が広がるカバランのブランドアンバサダーは、探求心に満ちた櫻井さんにとってピッタリの役割のようです。櫻井さん、お忙しいなか貴重なお話をお聞かせいただき、本当にありがとうございました。
- KAVALAN SELECTION
- 櫻井さんが選んだカバラン

- バー シェフテンダー 五反田店
- (Bar cheftender)
ー INFORMATION
- 住所:
- 〒141-0022 東京都品川区東五反田1-17-7 大宗五反田ビル 5F
- 電話:
- 03-6450-4237
- 営業時間:
- 月~土 18:00~5:00
定休日:日曜日
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椎名 誠さん
ウイスキーは
“場”を作ってくれる酒だなと思う。
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土屋 守さん
ウイスキーの常識を覆したカバラン。
今では世界中のウイスキーファンが
その実力をわかっています。
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イアン・チャン
イアン・チャン
私の喜びは、最適な原酒の蒸留、
熟成に耐える
樽の探究、
そして新しいキャラクターの創造です。
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長谷川 憲三さん
カバラン ディスティラリーセレクトの
カクテルも、お客さまに好評です。